とまとと tomatoto小さな村の小さなゲストハウス兼、エントランスが誕生しました。

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とまとと tomatoto

スパイスカリー大陸 店主アチャコ
in hidaka village
Eat & Stay とまとと
0°
hidaka village
大阪・高知の人気スパイスカレーが、とまととのコラボメニューに登場!
コラボ 2020.09.10
今や、大阪のご当地グルメとして確立している「スパイスカレー」。加速的に専門店が増えていく中で、「BRUTUS」や「POPEYE」「ku:nel」など、さまざまなカルチャー雑誌に掲載され、食べログで「百名店」にも選ばれている人気店があります。
detail__img--1.jpgそれは、大阪・福島エリアにある「スパイスカリー大陸」。

「ゲストハウス由苑」に併設し、メニューは「大陸カレー」1種類のみ。それでも、連日多くの宿泊者さまや一般のお客さまが訪れ、「カラフルで、飽きが来なくて、何度でも食べたい!」「キャンバスに描いた芸術品のよう」「世界のカレーが1皿で食べられるなんて」と、思い思いに感想をのこしていきます。

人気の秘密は、1皿で3種類のカレーと10種類の副菜が味わえるオトク感......だけではありません。

ココナッツ豆、スパイシーキーマ、トマトチキンバター......3種類のカレーは、店主のアチャコさんが世界を旅しながら見つけた食材や、本場のスパイス職人から学んだレシピから厳選された逸品。どこから食べはじめても、スパイスハーブの刺激と肉や豆の旨みをしっかりと感じます。お皿に散りばめられた副菜は、甘み、辛み、酸味と、さまざまな味覚が楽しめ、カレーの味をより引き立ててくれます。

一度食べると病みつきになるその味やこだわりが、行列と話題を生み出している秘密。最近では高知県の蔦屋書店にも店舗を展開し、大陸ファンを増やし続けています。
detail__img--2.jpg今回、日高村のフルーツトマトが彼のお店で使われている縁をきっかけに、特別に「とまとと」とのコラボメニュー制作が決定。その記念として、アチャコさんにお店づくりの話やコラボメニューの制作秘話について取材させてもらいました。明るくて、人なつっこい笑顔が特徴的なアチャコさん。いったい、どんなお話が聞けるのでしょうか。

自分も、みんなも、おもしろいことを。その視点が、生業を生み出していく。
detail__img--3.jpg「"あなたは何をしている人ですか?"と聞かれると、いつもどう答えていいのか迷っちゃうんですよね」

話題のカレー屋の店主です。てっきり、カレー専門の料理人なのかと思いきや、アチャコさんの反応は想像とはちょっと違いました。

お話を聞いていくと、彼は「スパイスカリー大陸」の他にも、石窯ピザのお店「雲亭」やベトナム料理のお店「僕のバインミー」、さらには、ゲストハウスも2つ運営しているそう。おまけに、音楽活動歴は20年以上。定期的に地方創生に関するセミナー講師も担当するなど、さまざまな顔を持っていることが判明したのです。

「お店をやるようになったのは30代に入ってから。いちばん長く続けているのは音楽ですね。20代の頃はアルバイトでも生計を立てつつ、ライブしたり、ツアーで全国を回ったり、音楽一筋でした」

そんな生活に変化が起きたのは、友人のカフェが経営難に陥ったとき。
detail__img--4.jpg「どうしよう、どうにかしないと......と悩んだ末、よしじゃあここで僕がカレー屋をやる!という話になったんです」

それまで、スパイスカレーをつくったことも、食べたこともなかったアチャコさん。当時の彼にとって、飲食店の経営は異色の選択だったと思います。でも、やるとなったら即行動。とにかくいろんなカレー屋さんを食べ歩き、研究していたところ、偶然出会ったインド人からスパイスカレーの作り方を教わったそう。その知識をベースに、お店をオープンします。
detail__img--5.jpg「当時の大阪は、まだスパイスカレーのお店が全然なかったんです。それでも、いざやってみるとすぐ軌道に乗って。でも、数年したら立ち退きを余儀なくされちゃって。そこで一旦、店を閉めました」

スパイスカレー屋としての好調なスタートが、まさか数年で閉店の事態に。残ったのは、立ち退き料として振り込まれた現金100万円。

多くの人は、そのお金を当面の生活費や、新しいお店をはじめる軍資金として使うのでしょう。でも、アチャコさんが選んだ道は、「ちょっと旅をしてこよう」。そのまま世界へと飛び立ったのです。
detail__img--6.jpg「音楽のツアーもよくやるし、根が旅好きなんですよね。そのときはヨーロッパやモロッコなど、いろんなところをめぐりました。で、マルセイユに住む友だちの家でお世話になっていたとき。すぐ隣が石窯で焼く本場のピザ屋さんだったんですよ。見ていたらすごくおもしろそうで、お店を手伝わせてくれないかとお願いしてみたんです」

その数日間のお店での経験が、さらなる転機になろうとは。

旅を終え帰国して間もなく、アチャコさんに奈良県の生駒山にある古民家で店をやらないかと声がかかります。そうして完成したのが、石窯ピザのお店「雲亭」。

旅先での経験が、すぐカタチとなってあらわれたのです。そして、ひとつ、またひとつと「お店をやらないか」「良い物件があるんだけど」と誘いを受け、自分のお店が増えていったと話してくれました。
detail__img--7.jpg「いくつかお店をやらせてもらっているけど、自分で物件を探したことって一度もないんですよね。オーナーになりたいとか、店舗を拡大したいとか、そんな野望を抱いたこともなくて。ぜんぶ、知人や友人から声をかけてもらってはじめたものなんです」

誘われて、興味が湧いたらその場所を見に行って。自分の足でその街をまわりながら、「この場所に、何があったら街がもっとおもしろくなるか」を考える。それが、アチャコさんがお店をはじめるときのスタイルです。

「何でもいいわけじゃないですね。自分がおもしろく感じることで、なおかつ地域の人たちも楽しくなるものじゃないと」

アチャコさんの元にいろんな話がまいこんでくるのは、彼の視点にみんなが期待しているからなのかもしれません。

音楽も、料理も、経営も。ぜんぶエンターテインメント。

「おもしろい」を軸にしているとは言え、いくつもの人気店を運営するとなると、苦労もたくさんあるのではないのでしょうか。
detail__img--8.jpg「原価計算とか予算削減とかね。いろいろあると思いますよね。でも僕は、そのへんはざっくりとしか計算していないし、あんまり気にしないかな」

想像とは少し違った言葉が返ってきました。

「お金のことをいちばんに考えると、途端につまらなくなってしまうんですよ。それよりも、来てくれた人や食べてくれた人が"わっ!"って驚いたり、喜んでくれたりする方が大事。誰かから見れば無駄遣いに思うかもしれないけど、それがあるからお客さんが"わっ!"ってなったりもするんですよ」
detail__img--9.jpg彼にとって、スパイスカレーやピザをつくること、ゲストハウスを運営することは、ひとつのエンターテインメントなのだそう。音楽で人に感動や笑いを届けるのと同じように、お客さんが自分のアイデアや料理で笑ってくれたら、楽しんでくれたら、それがいちばんだとか。

将来のことを考えるとつい堅く考えてしまったり、人生の選択を迫られたときにひとつしか選べないと思い込んでしまったり......そんな経験がある人は、きっと多いはず。でも、アチャコさんと話していると、将来の道はひとつに決めなくてもいいし、自分の居場所はいくつあったっていい。そんな風に思えてきます。

訪れて、眺めて、話して......おいしさの答えは、ハイテンション!
ここからは、コラボメニューについてもお話を伺っていきます。「スパイスカリー大陸」と「とまとと」がコラボして生まれたカレーは、どんな風につくられていったのでしょうか。
detail__img--10.jpg「もう、すっごい悩みました!実際に日高村に来て、とまととの雰囲気とか見て、"どんなカレーなら、この場所にあうかな"と」

まさに、彼がお店をつくるときと同じスタイル。

「最初は、"日高村のフルーツトマトを前面に打ち出したカレーをつくってほしい"と言われたんです。でも、村の人にとってフルーツトマトは普段から当たり前に食べているもの。それを前面に出しても、新しさがないんですよね。だから、日高村のフルーツトマトをたっぷり使いつつ、食べ慣れている地元の人も、観光で訪れたはじめて食べる人にも、どっちにも"おいしい!!新しい!!"って思ってもらえるものを目指しました」
detail__img--11.jpg完成したカレーの名前は、「2種類で味無限大!ハイテンションカレー」。さんかく型のライスのまわりを囲うのは、10種類以上のスパイスが配合された2種類のカレー。高知の野菜をつかった副菜もたっぷりと添えられています。
detail__img--12.jpgひとつは、肉のおいしさがしっかりつまった合い挽きミンチとバルサミコ酢のキーマカレー。合い挽きミンチのジューシーな旨みと一緒に、ほどよい酸味と甘みが口の中に広がるのは、"ビンダルー"という、インドではお馴染みのバルサミコ酢と唐辛子をまぜたものを隠し味に使っているから。いろんな味覚が絡み合い、直感的なおいしさが味わえます。
detail__img--13.jpgもうひとつは、酸味と甘みのバランスが絶妙なトマトカレー。さらっとした南インド風のカレーをベースに、さっぱりとした味付けになっています。フルーツトマト本来の味に、スパイスの刺激がプラス。日高村のフルーツトマトをはじめて食べる人はもちろん、いつも食べている地元の人だって、これなら大満足間違いなし。どちらから食べはじめるか、つい迷っちゃいます。
detail__img--14.jpg「ひとくち目は、それぞれのカレーの味を楽しんでほしいですね。次は、2種類のカレーをまぜてひとくち。そうすると、また違った印象の味になるんです。最後に副菜もまぜて食べれば、さらにおいしさが広がってテンション上がりますよ」

1皿で2種類食べられるだけでも楽しいのに、食べ終わるまでに何度も"わっ!"な味が体験できる......まさしく、どんな人にとっても"おいしい!!新しい!!"カレーです。
detail__img--15.jpg「とまととって、カフェとかゲストハウスとかいろいろやっていて、働いている人もみんな元気で"イエーイ!"って感じ。天井に向かっていっぱい本が飾られていたり、入り口には真っ赤な眼鏡があったり......。穏やかな時間を過ごす場所というよりは、みんなと思いっきり笑顔で楽しむ場所だと思うんです。コラボメニューでもその雰囲気を伝えられたらなと。だから、このカレーのテーマは"ハイテンション"なんです」

ハイテンション。それが、この村を訪れ、人と出会って彼の出した答え。確かに、こんなにおいしいカレーを食べれば、ひとくちごとにテンションも上がっていきそうです。

その話を聞いたとまととのスタッフたちは、とても嬉しそうに、アチャコさんの予想通りハイテンションに喜んでいました。

自由に、楽しそうに、でも真摯に生きるアチャコさん。彼と一緒に手がけた特別なカレーは2020年7月末よりとまととにて提供スタートします。また、日高村のふるさと納税の返礼品としても開発予定ですので、完成をお楽しみに!
とまとと✕スパイスカリー大陸コラボ
2種類のスパイスカリーを1皿で味わえる! その名も、ハイテンションカリー ★コラボ、記念特別価格